ホームページの多言語化、考えたことはありますか?
今回は、ホームページをなぜ多言語化するのか、そのメリットやインバウンドや在留外国人との関連性について、わかりやすくお伝えします。
インバウンドや在留外国人をターゲットにする理由
まず、近年の日本の観光やビジネスの市場をを考えてみましょう。
インバウンド市場
訪日外国人旅行者の数は年々増加しており、2022年のデータによると、多くの国からの観光客が日本を訪れています。この数は、コロナ禍前の水準を上回る速さで回復していると言われています。野村総合研究所の市場予測では6兆円に迫る市場予測がされています。
一人当たりの消費額については、予想外に高水準が維持されている。そのため、2023年インバウンド需要は5.9兆円に達し、コロナ前の2019年の4.8兆円を大きく上回るという見通しを維持したい。
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2023/fis/kiuchi/0720_2
在留外国人市場
在留外国人の数も増えており、彼らは日本の経済に大きな影響を与えています。彼らの消費や日本での生活は、多くのビジネスチャンスを生み出しています。
その市場規模は5兆円になるとも言われています。
このペースで高齢化が進むと40年後に日本の人口の約40%が高齢者になることが見えています。そんな中でいくつかある施策の中でもわかりやすく改善傾向が出ているのが在留外国人市場です。20年間で約2倍に伸びており、300万人超の在留外国人が消費する額は、年間約5兆円。
https://mx.wovn.io/learn/foreign-residents
つまり、インバウンドや在留外国人をターゲットにすることで、新しい市場や顧客層を開拓する大きなチャンスが広がっていることがわかります。
ホームページ多言語化の重要性
ホームページは、企業やサービスの「顔」とも言えるものです。
これだけの市場規模があるならば、訪れたお客様が情報を得やすいか、気に入った商品やサービスを見つけられるかは非常に重要な意味を持っていることがわかります。
母国語で読めるかは重要
外国からのお客様にとって、その情報が自分の言語で読めるかどうかは、非常に重要なポイントです。
グローバルな競争が激化する中で、多言語に対応したホームページは、お客様からの信頼を得る手助けになります。
特に、英語や中国語など、多くの人が使用する言語に対応することで、より多くのお客様の目にとまるチャンスが増えるのです。
初めて訪れるウェブサイトで、自分の言語で情報が得られることは、ユーザーにとって安心感を与え、ポジティブな第一印象を与える要素となります。
英語だけのサイトですぐにページを離れてしまった、という経験はないでしょうか?
同じことが外国人のお客様にも起きる、ということです。
ホームページ多言語化のメリットは非常に大きい
ホームページを多言語化することで得られるメリットは数多くあります。
その中でも特に大きな3つのメリットを詳しく解説いたします。
ホームページの訪問者数が増加する
GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、ユーザーに最も適切な情報を提供するために様々な要因を考慮してサイトをランキング付けします。
ホームページを多言語化することで、英語や中国語などでの検索にも対応することができ、検索結果に表示される機会が増えます。
これにより、インバウンドや在留外国人の方のアクセスが増加する可能性が高まります。
申し込み、問い合わせ、来店が増える
自分の母国語で情報を得られるサイトは、訪問時間が長くなり、購入や問い合わせへの変換率も高くなると言われます。
母国語での情報提供は、ユーザーの安心感や信頼感を高め、申し込みや問い合わせへ、来店につながるのです。
実際にサイトでは多言語化により問合せ率が高まったという事例が記載されています。
多言語サイトのリリースから1ヵ月で導入効果が早速出ました。日本語以外の言語で予約してくださったお客様をコンバージョンポイントにおいているのですが、海外航空券サイトは前年のコンバージョン率と比べますと約140%増えました。 ※コンバージョン率とは問合せのこと
https://mx.wovn.io/casestudy/his2
新規の顧客層の獲得
超高齢化社会を迎え、日本の人口が減っています。そのためにインバウンドや在留外国人を獲得していくことは企業にとって重要なビジネス戦略です。
ホームページを多言語化することで、これらの顧客層を新規として獲得できます。
信頼性とブランドイメージの向上
サービスや商品の情報を複数の言語で提供することは、消費者に対するサービスの質の高さやブランド力を示すことができます。
ホームページを多言語化するだけで、消費者の信頼を得ることができます。
これらのメリットを踏まえ、ホームページの多言語化は、現代のグローバルなビジネス環境において、非常に有効な手段と言えるでしょう。
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多言語化の進め方
まずは、多言語化する言語は何がよいか、情報をもとに考えていきましょう。
必要な言語の選定
どの言語を多元かするのか? まずは、多言語化したい言語をきめましょう。
2023年のJNTOデータによれば日本に観光で訪れる観光客のランキングは、
- 韓国
- 台湾
- 米国
- 香港
- 中国
となっています。
韓国語は見落としがちですが、韓国が1位なので、対応することで大きなビジネスチャンスが広がりそうです。
在留外国人のランキングは以下となっています。
順位 | 国 | 人数 | 構成比 |
---|---|---|---|
(1) | 中国 | 786,830人 | (構成比27. 3%) |
(2) | 韓国 | 435,459人 | (構成比15. 1%) |
(3) | ベトナム | 420,415人 | (構成比14. 6%) |
(4) | フィリピン | 282,023人 | (構成比 9. 8%) |
(5) | ブラジル | 211,178人 | (構成比 7. 3%) |
(6) | ネパール | 95,367人 | (構成比 3. 3%) |
(7) | インドネシア | 66,084人 | (構成比 2. 3%) |
(8) | 台湾 | 59,934人 | (構成比 2. 1%) |
(9) | 米国 | 57,214人 | (構成比 2. 0%) |
(10) | タイ | 53,344人 | (構成比 1. 8%) |
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/nyuukokukanri04_00018.html
在留は、東南アジアの人の割合が高くなっています。
なお英語は母国語ではありませんが、ユニバーサルランゲージ(世界共通語)なので必須ですね。
翻訳の品質
単純に言葉を翻訳するだけではなく、各国や地域の文化や習慣を理解して、それに合わせた翻訳が理想です。
高品質な翻訳を実現するためには、ネイティブスピーカーやバイリンガル、翻訳事務所を使うと良いでしょう。正確で自然な翻訳を提供することができます。
ホームページのデザインの工夫
ホームページのトップページやメニューバーに、わかりやすい位置に言語切り替えのボタンを配置することで、ユーザーが自分の言語に簡単に切り替えらるようにすると良いです。
スマートフォンの利用者が増える中、モバイルフレンドリーなデザインは必須です。
多言語化した際のデザインの崩れに注意し、常にユーザーの使いやすさを考慮したデザインを考える必要があります。
多言語対応サイトの導入で成果を上げた企業
多言語化を成功させた企業の事例や、逆に失敗から学ぶ教訓についてご紹介いたします。
国際的に有名な企業
例として、大手旅行サイト「Expedia」は、多言語・多通貨対応を導入することで、全世界からのアクセスと予約を増やすことができました。
彼らは言語の境界を超えてサービスを提供することで、グローバルな市場での競争力を高めています。
うどん屋のつるとんたんも多言語化に成功
もともとインバウンドが多いエリアに店舗を構えるつるとんたんは、ホームページの多言語化はもちろん、多言語対応のWeb予約システムを入れているそうです。
口コミやインスタでサービスをことを知ってもらっても多言語されていないと、外国のお客様は見てくれませんね。見てもらうだけでなく、その先の受注までを考えているのがつるとんたんの多言語化の事例ですね。
参考サイト:https://honichi.com/cases/measures/web/webxrestaurant/
固有名詞は注意が必要
注意点も一点ご紹介します。
アメリカの自動車メーカー、GM(ゼネラルモーター)が、南米で「Nova」という名前で車を販売しましたが、スペイン語で「動かない」という意味になるため、販売は難航したと言われています。
日本語では問題ない固有名詞が別言語では全く違う意味になってしまう可能性があるため、ここは注意が必要です。
ホームページの多言語化の手順
では次にホームページを多言語化する際の具体的なアクションプランについてお伝えします、
1.ターゲットとする言語の選定
「多言語化の進め方と注意点」でも記載していますが、どの言語での多言語化が最も効果的かを決定します。
2.多言語化の方法の選定
多言語化には2つの方法があります。
2-1.既存のサイトを多言語化
現在のサイトのデザインや構造を保持しながら、多言語化する方法
2-2.リニューアルしながら多言語化
サイト全体のリニューアルを行いながら新しい言語を追加します。
当社ではこの両方に対応したサービスを提供しています。無料デモも行っておりますので、ぜひご確認ください。
3.翻訳
AIなどのツールを使う方法、翻訳の品質を確保するため翻訳専門家との協力を依頼する方法。両方があります。
4.サイトのデザインの調整
言語切り替えボタンの配置、各言語ごとに対応した画像の修正など、使いやすいサイトに仕上げていくことが重要です。
まとめ
ウェブサイトの多言語化の価値と、その取り組み方についての理解を深めていただけたことを願っています。そして、実際のアクションへと移行する際の背中を押すきっかけとなれば幸いです。
新たな市場への挑戦は勇気が必要ですが、その先には大きな成果が待っています。