Google AppSheetを導入した企業様は84%の業務工数の改善、年間48000分以上の業務工数の削減を実現しています。効果や導入の流れをまとめた資料をご用意しています。
AppSheetの業務改善の課題と事例が分かる!AppSheet Magic導入資料はこちら
AIがアプリを作る時代に AppSheet はもう不要なのか?

近年、Gemini や ChatGPT をはじめとする生成AIが急速に進化し、
「AIに指示するだけでアプリが完成する」というデモ動画を頻繁に見かけるようになりました。
こうした状況から、
「もうノーコードツールは不要なのでは?」
という疑問を持たれる方も増えています。
しかし、結論から申し上げると、AppSheet の価値はむしろ今後さらに高まっていく と考えています。
理由はシンプルで、
“AIが得意なのは『作ること』、企業が求めるのは『使い続けられること』”
だからです。
AIが生成したアプリは、確かに見た目も機能も整っており、瞬時に形になります。一方で、企業が本当に求めているのは次の3点です。
- 業務の中で安定して稼働し続けること
- データが正しく蓄積されること
- 誰でも保守・改善できること
こうした「運用の品質」や「継続性」は、現時点では AppSheet のような 業務特化型ノーコードツールの方が圧倒的に満たしやすい のが現実です。
Gemini 3.0 で CRM アプリを作成してみた
実際に、Gemini 3.0 を使って簡易的な CRM(顧客管理)アプリを生成してみました。
AIに与えたのは、次のような簡単な要件だけです。
- 社内向けの簡易 CRM を作りたい
- 顧客情報、商談、タスクなどを管理したい
- ダッシュボードを表示して可視化したい
これらの要件をプロンプトとして投げると、Gemini はわずか数十秒でアプリを生成してくれます。
生成されたアプリには、
- 進行中案件・提案状況などの ダッシュボード
- 顧客ごとのステータスが分かる 顧客管理
- 商談の詳細や担当者が確認できる 商談テーブル
- タスク管理機能
- ステータス別の グラフ(円/棒)
などが、自動で作り込まれていました。

特に驚くのは、データ構造(テーブル設計)まで AI が作成している 点です。
ゼロから手で作るより圧倒的なスピード感があり、「もうAIに任せてしまえば良いのでは?」と思ってしまうほどです。
しかし、問題はここからです。
AIで作ったアプリは、会社でそのまま使えるのか?
AIが自動で作ったアプリは、デモとしては非常に優秀です。
ただし、業務で使うとなると話はまったく別 です。
現場で実際に起こりやすい問題をまとめると、次の4つに集約されます。
1. 動作の保証がない(バグの修正が難しい)
生成AIは、こちらの指示を正しく理解しているとは限りません。
不具合が発生し修正を依頼しても、
- 意図しない部分が書き換わる
- 部分修正で別の箇所が壊れる
- 依存関係の整理ができずバグが増える
など、「Aを直したらBがおかしくなる」現象が頻発しやすいです。
これはAIの限界というより、業務ロジックを自然言語だけで正確に伝えることが難しいという構造的課題です。
つまり、短期的には動いても、長期運用時の安定性が保証されない ということです。

2. 権限管理・セキュリティが弱い
業務アプリで最も重要な要素の1つが 権限管理 です。
しかしAI生成アプリには、以下のような基本要件が欠けています。
- 社内ユーザーの認証方法
- ロール(役職)ごとのアクセス制御
- データ閲覧範囲の制限
- 外部アクセスの制御

企業によっては、
- 総務:全データ閲覧
- 営業:自分の案件のみ
- アルバイト:タスクのみ閲覧
など、細かい制御が当たり前です。
AIはここまでのルールを自動で理解できないため、企業利用に耐えないアプリが出来上がる ケースが多いのです。
3. データガバナンスの問題
企業にとって「データがどこにあり、どう管理されているか」は最重要です。
しかしAI生成アプリの場合、
- 保存場所が不明確
- バックアップの仕組みがない
- 拡張性が担保されない
- 社内データ基盤(スプレッドシート/BigQuery)と連携できない
といった問題が起きがちです。
特に近年は
「社内データ基盤の整備」=DXの中心
といわれるほど、データ管理は重要です。
そのため、AIが作ったアプリをそのまま業務の中心に置くことにはリスクがあります。

4. 結局 “運用が難しい”
業務アプリは「作ること」よりも、むしろ運用して改善し続けること の方が重要です。
現場では必ず、
- 機能追加
- 承認フローの改修
- 入力チェックの強化
- 連携システムの追加
といった要望が生まれます。
しかしAI生成アプリはこうした改善サイクルに弱く、修正を依頼するたびに「別の部分が壊れる」リスクを抱えます。
つまり、
- 作るのは簡単
- 運用するのが難しい
という構造になりやすいのです。
なぜ AppSheet なら業務利用に耐えられるのか?
AI生成アプリは「瞬間的な完成度」は高いものの、業務利用を考えると AppSheet には明確な強みがあります。
Googleアカウントで強固な権限管理
AppSheet は Google Workspace とネイティブ連携しているため、
- 普段のGoogleアカウントでログイン
- 社内メンバーだけアクセス可能
- 部署・役職ごとのアクセス制御が簡単
など、企業利用に欠かせない認証基盤が最初から整っています。
AI生成アプリのように、“誰がどこまで触れるか” を一から設計する必要がありません。
データベースが信頼できる
AppSheet ではデータの保管場所が明確です。
● 小〜中規模:スプレッドシート
- どんなデータが入っているか確認しやすい
- Excel感覚で扱いやすい
- バックアップや共有も容易
● 大規模:BigQuery
- 高速で安全
- 数百万行でも問題なし
- そのまま分析にも活用可能
データの成長に合わせて 自然にスケールできる のが大きな強みです。
ノーコードだから変更・保守が容易
業務アプリは、使った瞬間に改善点が見えてきます。
AppSheetならノーコードのため、社内の担当者でも調整しやすく、
- 項目追加
- フロー変更
- 条件ロジックの追加
- 表示の調整
といった修正を 内製化しやすい のが魅力です。コードがブラックボックス化しないので、保守コストを抑えて運用していけます。


会社の資産としてアプリが育つ
AppSheetで作ったアプリは、会社の業務フローに合わせて年々改良され、会社の資産として育っていきます。
- データが安全に蓄積
- 業務に合わせた仕様変更が容易
- 現場の声を反映しやすい
- 長期的に“自社システム”として成熟
これは、短時間で作られたAIアプリでは実現しにくい価値です。
まとめ|AIと AppSheet の役割は違う
AIとAppSheetは、どちらが勝っているという話ではなく、そもそも役割が異なる ものです。
AI(Gemini / ChatGPT)
- とにかく速い
- プロトタイプやデモ作成に最適
- アイデア発想にも向いている
AppSheet
- 権限管理が強固
- データ基盤が信頼できる
- 運用・保守・改善に強い
- 長期的に“会社の仕組み”として成長する
業務アプリで本当に重要なのは、「安定して動き続けること」 と 「改善し続けられること」 です。その点で AppSheet は、現場の業務改善に最適なツールだといえます。









