申請業務DXとは、従来の申請業務をデジタル化し、より効率的で便利に行うことを目指した取り組みです。DX(デジタルトランスフォーメーション)は、業務のデジタル化を通じてプロセスを最適化し、無駄を削減することが目的です。
今回は、GoogleフォームとAppSheetを組み合わせることで、申請から承認、データの分析までを一貫して行うシステムデモについてご紹介します。この仕組みを使うことで、業務の一部を自動化し、より迅速に対応することが可能になります。
どう申請業務をDX化するのか?
申請業務をDX化するには、デジタルツールをうまく活用し、各プロセスを連携させることが重要です。
今回のシステムでは
- Googleフォームで申請を受け付け
- そのデータをAppSheetで管理・承認し
- Looker Studioに繋いでデータ分析
を行います。このように、業務が途切れることなく進行することがポイントです。
ポイントは横の繋がり
申請業務DXの最も重要なポイントは、各プロセスがシームレスに繋がることです。
Googleフォームでの申請から始まり、AppSheetでの確認・承認作業、そしてLooker Studioでのデータ分析まで、すべてのプロセスが一貫して繋がることで、業務全体を効率化します。
これにより、申請から承認までの流れがスムーズになり、データの二次利用も可能になります。例えば、申請データをそのまま分析に活用できるため、従来のような手作業によるデータ転記が不要になります。これが、業務をより楽にし、便利にするDXの大きな魅力です。
この申請業務DXの前提
今回の申請業務DXの具体例として、「給油情報の申請」を取り上げています。
このシステムでは、ドライバーが給油情報をGoogleフォームで申請し、その内容がAppSheetに連携されます。申請されたデータはAppSheetで承認・確認が行われ、承認されたデータはLooker Studioで分析に利用されます。
この流れにより、申請者は簡単に必要な情報を入力するだけで、データが自動的にシステムに取り込まれ、管理者側での確認・承認作業が迅速に行えるようになります。
また、これにより得られたデータは、業務の改善や効率化に役立てることができます。
まずはGoogle Formで申請
申請業務DXの最初のステップは、Googleフォームを使用した申請プロセスです。ここでは、申請者が必要な情報を入力し、簡単にデータを送信することができます。
日付と給油情報の入力
Googleフォームを使った申請では、まず基本的な情報として、日付や給油量などを入力します。
日付の選択や給油量の入力は非常に簡単で、例えば小数点第二位までの正確な給油量を記録することが可能です。
また、ガソリン代もその場で入力できるため、詳細なデータを正確に申請できます。
オドメータの記録
さらに、車両の走行距離を記録するオドメータの値も入力します。
これは、車両がどれだけ走行したかを記録し、燃費の計算や車両の管理に役立てるためです。
例えば、ドライバーが給油時のオドメータの数値を入力することで、その車両の燃費や利用状況を把握することができます。このデータは、タクシー会社などで経費削減に繋がる貴重な情報として活用されています。
スマホでも簡単に申請可能
Googleフォームはパソコンだけでなく、スマートフォンからも利用することができます。
ドライバーは外出先でもスマートフォンを使って簡単に申請が行えるため、わざわざオフィスに戻る必要がありません。これにより、現場でのデータ入力が可能になり、迅速な申請と処理が実現します。
AppSheetで情報を確認
Googleフォームでの申請が完了すると、次のステップはAppSheetでの情報確認です。
AppSheetは、Googleフォームから送信されたデータを自動的に取り込み、管理者が承認・否認の判断を行えます。このプロセスにより、申請内容が効率よく確認され、迅速な対応が可能になります。
承認の流れ
AppSheetでの承認の流れはシンプルかつ効果的です。フォームから送信された申請がAppSheetに取り込まれると、管理者はすぐに申請内容を確認することができます。
例えば、給油報告であれば、給油日や給油量、ガソリン代、オドメーターの数値などの詳細が表示されます。
承認する際には、以下のような流れで進みます:
申請内容の確認
各申請の詳細情報(例:給油量、金額、走行距離など)を確認します。
承認の判断
データに不備がないか、申請内容が適正であるかを確認した上で承認します。
承認済みへの移行
承認された申請は「承認済み」のステータスに移行し、データベースに記録されます。
これにより、承認が完了したデータは他のプロセスへスムーズに連携され、次のステップで利用されるようになります。また、承認された申請内容はリアルタイムで更新されるため、関係者は最新の情報をすぐに把握できます。
否認の流れ
申請内容に誤りや不備がある場合、管理者はAppSheetを使って簡単に否認の処理を行うことができます。否認の流れもシンプルで、誤った情報がシステム内で検出され、再申請を求める際に便利です。
否認の際の流れは次のようになります:
申請内容の確認
入力されたデータが不適切であったり、明らかに異常な数値が入力されている場合に否認を検討します。例えば、給油量が異常に多い、走行距離の減少が見られるなど、不自然なデータは否認対象となります。
否認ボタンの操作
否認ボタンを押すと、自動的に申請者へメールが立ち上がり、「申請に不備があります。再申請をお願いします」といった内容のメッセージが自動作成されます。このメールには不備の内容も記載でき、申請者はどの点を修正するべきかを理解できます。
再申請依頼の送信
メールを送信すると、否認のステータスが申請データに反映され、申請者へ再申請を求める指示が届きます。これにより、誤ったデータの修正が速やかに行われ、再度の確認・承認が可能となります。
このように、否認プロセスも非常にスムーズで、申請内容の精度向上に寄与します。
経理などへの連携も可能
承認された申請データは、そのまま経理などの部門へ連携させることも可能です。クレジットカードや専用の給油カードで支払いが行われた場合は不要かもしれませんが、AppSheetで承認されたデータをCSV形式で出力し、経理担当者へ送信することができます。
これにより、申請から承認、そして経理への連携まで、業務全体が自動化され、効率よく運営される仕組みが完成します。
Looker Studioへ繋ぎ分析データを
Looker Studioでは、AppSheetから受け取ったデータをもとに、様々な視点からの分析が可能です。
たとえば、給油量の推移や燃費の傾向、車両ごとの燃料コストなど、さまざまなデータをグラフで視覚的に表示します。以下は、Looker Studioで行える具体的な分析内容の一部です。
給油量とコストの推移
過去のデータを基に、給油量の推移をグラフ化し、異常値の有無をチェックします。たとえば、月ごとの給油量の変動を視覚化することで、異常な数値が見つかった場合には、なぜそのような数値になったのか原因を特定することができます。給油コストの推移も同様に分析することで、燃料費の高騰や経費の無駄を見つける手がかりとなります。
燃費の分析
各車両の燃費を分析し、どの車両が効率的に使われているかを確認します。例えば、ある車両の燃費が他の車両に比べて著しく悪い場合、その車両のメンテナンスが必要なのか、あるいは運転方法の見直しが必要なのかを検討することができます。このような分析は、車両ごとのパフォーマンスを把握し、コスト削減に繋げる重要なデータとなります。
車両ごとの使用状況とコスト管理
Looker Studioでは、車両ごとの給油回数や総給油量、使用頻度なども視覚化できます。これにより、各車両がどの程度のコストをかけて運用されているかを把握しやすくなります。また、車両ごとのコスト分析を行うことで、どの車両の運用が最も費用対効果が高いかを判断できます。これにより、より効果的な車両管理が実現します。
散布図による異常値の検出と改善策の検討
給油回数や燃料使用量のデータから、通常とは異なるパターンや異常値を検出します。例えば、ある車両だけ異常に給油回数が多い場合、運転の頻度が高いのか、燃費が悪化しているのかを検討する必要があります。このように異常値を視覚化することで、運用上の問題点が明らかになり、具体的な改善策を考えることが可能になります。
Looker Studioを利用することで、データの見える化が進み、業務の効率化やコスト削減に向けた具体的なアクションを導き出せます。システムによって収集されたデータを最大限に活用し、業務の課題解決に貢献することができるのがこの分析の大きなメリットです。
なお、本ブログはこちらの動画でもご紹介していますので、ぜひチェックしてみください。
まとめ
今回ご紹介した申請業務DXのシステムは、Googleフォーム、AppSheet、Looker Studioの3つのツールを連携させることで成り立っています。それぞれのツールが持つ強みを活かし、シームレスな業務の流れを実現することがポイントです。最後に、この連携の重要性について改めて確認しましょう。
シームレスなデータ連携で業務効率化
各ツールが連携することで、申請から承認、そしてデータ分析までの業務がスムーズに進みます。これにより、手作業での入力や確認作業が減り、ミスが少なくなります。また、データの一貫性が保たれるため、各ステップでの情報の齟齬も防げます。
データの活用で業務改善
申請されたデータは、Looker Studioを通じて分析されることで、業務のパフォーマンス向上に活かされます。例えば、燃費の悪い車両のメンテナンスを計画したり、コストの高い運用方法を見直したりすることで、業務全体の効率を高めることができます。
持続可能な運用体制の構築
自動化されたシステムは、日々の運用の中でデータを蓄積し続け、将来的な意思決定のための基盤となります。このような持続可能な運用体制を構築することで、長期的な視点で業務改善を図ることができます。
このように、デジタルツールの連携による申請業務DXは、業務の効率化と改善を実現するための強力な手段です。
システムを活用することで、日々の業務負荷を軽減し、より戦略的な業務運営が可能となります。ぜひこれらのツールを取り入れて、業務のデジタルトランスフォーメーションを進めてみてください。
このようなDXの仕組みを構築したい企業様は、当社のアップシートマジックからお気軽にお問い合わせください。