Google AppSheetを導入した企業様は84%の業務工数の改善、年間48000分以上の業務工数の削減を実現しています。効果や導入の流れをまとめた資料をご用意しています。
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【サンプルレポート有り】AppSheetとLooker Studioで月次経営レポートのエクセルから脱却
はじめに
月次経営レポートの現状とよくある課題
多くの企業では、月次の経営会議に向けて「経営レポート」を作成することが日常業務となっています。しかし、その裏側では担当者が膨大な時間を費やしながらExcelと格闘しているのが現実です。たとえば、次のような悩みが頻出します。
- 関数を複雑に組みすぎて、少し修正が入るだけで全体が崩れる
- ファイルが各部署に散在し、どれが最新版か分からなくなる
- クラウド非対応で、毎回メール共有の手間が発生する
- 作業の属人化が進み、特定の担当者しか更新できない
Excelは優れたツールですが、業務が拡大するにつれ構造の複雑化・共有の煩雑化・更新ミスが顕在化します。これは単なる「手間」ではなく、経営判断のスピードを遅らせる深刻なボトルネックになり得ます。
なぜ「Excel作業」が限界を迎えているのか
Excelは“手作業の分析”を前提としたツールです。したがって次の限界があります。
- リアルタイム性の欠如:最新データ反映に手動更新が必要
- メンテナンスコストの増大:関数やシート構成の修正に多大な工数
- 共有の煩雑さ:同時編集で破損・上書きリスク
では、工数を減らしつつ「正確で壊れない経営レポート」をどう実現するか。答えのひとつが、Google AppSheetとLooker Studioの連携です。
手作業からの脱却:AppSheetとLooker Studioの連携とは
Google AppSheetとは?

AppSheetはGoogle提供のノーコード開発プラットフォームです。スプレッドシートやデータベースを元にプログラミングなしでアプリを構築できます。本テーマでは、AppSheetが月次データの入力・集計基盤として機能します。各部門が数字を入力するだけで、共通DBへ自動反映されます。Excelの入力感覚を保ちながら、クラウドで安全に一元管理できる点が強みです。
Looker Studioとは?

Looker Studio(旧Data Portal)はGoogleの無料BIツールです。AppSheetなどから集めたデータを自動取り込みし、グラフやダッシュボードに可視化します。たとえば、
- 売上・粗利・販管費の推移をグラフ化
- 前月比・前年比を自動算出
- 月別・部門別の構成比をワンクリック切替
Googleアカウントがあれば共有も簡単。Excelでは難しかった“リアルタイムな見える化”が可能です。
なぜこの2つの組み合わせが最強なのか
AppSheetとLooker Studioを組み合わせると、「入力→レポート作成」まで完全自動化が実現します。
- AppSheetで月次データを入力(営業・経理・各拠点)
- データはスプレッドシートやBigQueryに即時保存
- Looker Studioがリアルタイムで取り込み、数値・グラフを更新
- レポートは自動反映・共有
結果として、
- 作業工数の大幅削減
- 関数エラーや集計ミスの解消
- 経営層へ常に最新データで報告可能
が実現できます。
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システム全体構成の概要


既存システムはそのまま活用できる
既存の販売管理や勤怠などは置き換え不要。月次数値のみを抽出してAppSheetに入力し、Looker Studioをレポート層として活用します。いわば「青枠のレポート層」を独立させ、最小コストで自動化を実現します。
月次データをAppSheetに入力するだけで完結
中心は「月次データ」テーブル。売上高・原価・販管費などを担当者が入力すると、分類マスターに基づいて自動集計されます。入力完了と同時にLooker Studioに反映され、複雑なピボットや関数修正は不要です。
自動レポート生成の全体フロー図
フローはシンプルです。
【既存システム】→【AppSheetで数値入力】→【スプレッドシート/BigQuery】→【Looker Studioで可視化】
入力が更新されると、グラフもリアルタイム更新。Excelでの再集計・再送付は不要になります。
【実践①】AppSheetで月次データを入力する


「月次データ」テーブルの役割
経営レポートの基盤となる最重要テーブルです。各月の売上高・原価・販管費を部門・項目単位で記録します。既存システムから必要な数値のみを抜き出す設計により、現行フローを崩さずにデジタル化できます。クラウド基盤のため多拠点から同一フォームで入力でき、リアルタイムに一元集計されます。
「分類マスター」と「項目マスター」の設定
入力効率と整合性のため、上位カテゴリの「分類マスター(売上高/売上原価/販管費など)」と、配下の「項目マスター(商品売上・人件費・広告費・地代家賃など)」を用意します。分類選択で項目候補が絞られ、誤入力を防止。マスター管理により、Excelで起きがちな揺れ・誤字による集計エラーを回避します。
実際の入力画面とデータ構造
担当者は「年月」「分類」「項目」「金額」を入力するだけ。裏側では年月×分類×項目の時系列データに正規化され、複数月比較に耐える構造化データが自動生成されます。
集計データへの自動反映
入力は即座に集計テーブルへ反映され、仮想列やスライスで動的集計します。例:売上高=サービス売上+商品売上、粗利=売上高−売上原価、営業利益=粗利−販管費。更新のたびにLooker Studioのデータソースへも同期され、「入力→集計→可視化」がリアルタイムに連動します。
【実践②】Looker Studioでレポートを自動生成
Excel風に見えるが自動化されたレポート構成
見た目はExcelの報告書に近づけられますが、中身は自動更新。主要指標はすべて自動算出され、関数破損や参照ズレのリスクはありません。前月比・前年比などの比較指標も自動で算出します。


売上・原価・販管費・営業利益の自動算出


AppSheetの分類/項目マスターに基づき、Looker Studioで自動集計します。ExcelのSUMIF連打は不要です。
年間推移の自動算出


経営者が知りたい「どれだけ伸びたか」「どこが変化したか」を、月次推移・率の変化・前年同月比などで一目化。数字の羅列ではなく「流れ」が見えることで、会議の議論が深まり意思決定の質が向上します。
年間集計・構成比・グラフ表示の実例


月次・四半期・年間の切替はワンクリック。通年売上推移、売上構成比(サービス/商品)、販管費内訳(人件費・広告費・家賃など)を一つのダッシュボードで俯瞰できます。Excelでの再集計は不要です。
【応用編】マスタ追加でレポートを即反映
AppSheetで項目を1つ追加するだけ
新しい費目を追加したい場合は、分類/項目マスターに1行追加するだけ。保存と同時に入力画面に反映され、Looker Studio側へも自動連携されます。
Excelで壊れる「関数修正」が不要な理由
データ構造がマスターで統一されているため、参照範囲の貼り替えや手動調整は一切不要。追加データもそのまま集計対象になります。
Looker Studioへのリアルタイム反映
Looker Studioはスプレッドシート/BigQueryを最大15分単位で自動更新。手動更新で即時反映も可能です。「入力→集計→表示」がほぼリアルタイムで完結し、常に最新データで意思決定できます。
共有・自動配信までワンストップ
関係者限定のアクセス管理
Looker StudioはGoogleアカウント単位で細かな閲覧権限設定が可能。経営用・部門別など用途別に分けられます。AppSheetもユーザー権限で入力・閲覧範囲を制御でき、セキュリティと利便性を両立します。
ポータルサイトへのリンク埋め込み
社内ポータル(例:Googleサイト)にAppSheetアプリやLookerダッシュボードへのリンクを集約。月次経営・営業活動・人事勤怠など、用途別へのワンクリック導線で定着を促進します。
レポート自動送信スケジュールの設定方法
Looker Studioの配信スケジュールで、毎月1日9時に前月レポートを自動メール送信、毎週のチーム向け週次サマリー送付などが可能。AppSheetの通知で「締め日の入力リマインド」も自動化できます。
導入効果と今後の展望
工数削減・エラー防止・見える化のメリット
レポート作成は「データ入力のみ」で完了。関数修正や共有トラブルが消え、担当者負担を大幅削減。常に最新データで意思決定でき、属人化から脱却します。
どの業種にも適用できる汎用的な仕組み
- 製造:原価・在庫・生産性レポート
- 建設:案件別収支管理
- サービス:売上・人件費・稼働率
- 医療・福祉:利用者数・人員配置・経費
「既存を壊さずデータをつなぐ」発想で、自社仕様の経営レポートに拡張可能です。
今後の拡張:BI分析・AIサマリーへの応用
- BigQuery蓄積による高度BI分析
- AIによる自動サマリー・異常検知
- 部門別KPIアラートの自動送信
「人が分析する」から「AIが気づきを提案する」時代へ。今回の導入がその第一歩です。
まとめ
Excelからの脱却で業務はここまで変わる
入力した瞬間にレポートが完成し、「探す・修正・共有」の煩雑さから解放。経営者・管理職は「判断」と「戦略」に時間を集中できます。
無駄な手作業を減らし、経営判断をスピード化
AppSheet×Looker Studioは、データドリブン経営の実現基盤。全員が同じ最新データを見て議論でき、意思決定のスピードと質が劇的に向上します。
サービス紹介・お問い合わせ
AppSheet・Looker Studio開発代行「AppSheet Magic」について
株式会社Macbeでは、AppSheetとLooker Studioを活用した経営レポート構築・業務アプリ開発の代行サービス「AppSheet Magic」を提供しています。テンプレート活用により短期間・低コストで導入でき、帳票出力や通知設定など業務に合わせたカスタマイズにも対応します。
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