ノーコードでAIエージェント!?アップシートで考える自動化を作ってみた

Google AppSheetを検討中の方へ

Google AppSheetを導入した企業様は84%の業務工数の改善年間48000分以上の業務工数の削減を実現しています。効果や導入の流れをまとめた資料をご用意しています。
AppSheetの業務改善の課題と事例が分かる!AppSheet Magic導入資料はこちら

AIを活用した業務効率化に関心はありませんか?

本記事では、Google AppSheetと外部サービス、そしてGeminiを組み合わせた「AIエージェント的アプリ」 をご紹介します。

ニュースの自動収集から重要度の判定、担当者への通知までを一気通貫で行う仕組みを、分かりやすいデモとともに解説。さらに、在庫管理や人事サポートなどへの応用例もご紹介します。

目次

AI-Agentとは

正直なところ、広い意味で使われることが多く、人によって解釈もさまざまです。ここでは分かりやすくするために、まず「ワークフロー」と比較してみましょう。

ワークフロー:

決まった手順を、決まったとおりに進める仕組み。たとえば「ボタンを押したらデータを保存し、保存が終わったらメールを送る」という一連の流れです。

AIエージェント

同じ流れの中でも「これは本当に必要か?」「どちらを優先すべきか?」と、AIが状況に応じて判断してくれる仕組み。

つまり、単なる自動化(ワークフロー)から一歩進んで、AIが考えながら動く仕組みが「AIエージェント的な動き」と言えます。

今回のデモアプリでは、AppSheetで外部サービスとつなぎ、さらにGeminiを使うことで、この「考える仕組み」を実現してみました。

今回のデモアプリの仕組み

今回ご紹介するアプリの流れの構成です。

1.AppSheetでニュースを取得する

あらかじめ登録しておいたキーワードをもとに、外部APIから最新ニュースを集めてきます。たとえば「トヨタ」と設定しておけば、トヨタに関するニュースがAppSheetに取り込まれます。

2.Geminiがニュースを判定する

取り込んだニュースをGeminiが読み取り、

  • これは読むべきかどうか(推奨度)
  • ポジティブ/ネガティブ/中立といった雰囲気(センチメント)
  • 市場に与える影響の大きさ(市場インパクト)
  • カテゴリー分けや簡単なまとめ(総括)

といった情報を自動で付けてくれます。

3.必要な情報だけを担当者に通知する

判定結果のうち「読むべきニュース」だけをメールで担当者に送ります。

無駄な情報は届かないので、出社前の通勤中にメールを見れば、その日の重要ニュースを短時間でキャッチアップできるようになります。

これで「ニュースを集める → AIが考える → 必要なものだけ知らせる」という流れが出来上がります。

応用の可能性

この仕組みはニュース収集だけにとどまりません。少し発想を広げると、いろいろな業務に応用できます。

天気データ × 予測や分析

天気予報と売上データを組み合わせれば、「来週は雨が多いから来客数が減りそう → シフトを調整しよう」といった判断を自動で出せます。

在庫データ × リスク通知

在庫の動きをチェックし、「このペースだと来週には品切れしそう」と検知してアラートを送ることも可能です。欠品で販売機会を逃すリスクを減らせます。

日報データ × 社員のメンタル検知

社員が書いた日報をAIが読み取り、「頑張りすぎていないか」「ちょっと元気がないかも」といった兆候を早めにキャッチできます。人事や上司がフォローに入るきっかけづくりになるでしょう。

こうした応用例からも分かるように、外部データを変えるだけで業務ごとの課題に合わせて柔軟に活用できるのが、この仕組みの面白さです。

デモアプリの具体的な動作

企業情報とキーワードの登録方法

最初の準備として、アプリに「どんなニュースを取得するか」を設定しておきます。具体的には 企業名とニュースキーワード をあらかじめ登録しておきます。

例えば、

  • 企業名:「トヨタ自動車」
  • キーワード:「トヨタ」

と設定すると、トヨタに関するニュースだけを取得するようになります。同じように「ソニーグループ」と「ソニー」というキーワードを登録しておけば、ソニー関連のニュースを集められます。

こうして登録しておくことで、複数の企業に関するニュースを自動で収集できるようになるのです。

ニュース取得の実行手順

アプリ上には「処理実行」というボタンを用意してあります。ここを押すと、APIが動き、関連ニュースを自動的に取得してきます。

今回のデモでは分かりやすくするために「手動で実行するボタン」を配置しましたが、もちろんすべてを自動化することも可能です。

実行すると、数秒でニュースが一覧に反映され、AppSheetのテーブルに「関連ニュース」としてデータが追加されます。

ニュースデータに含まれる項目

取得したニュースには、次のような情報が含まれます。

  • タイトル:ニュース記事の見出し
  • URL:ニュース本文へのリンク
  • 公開日:ニュースが配信された日付
  • ディスクリプション:記事冒頭の要約文(おおよそ300文字程度)
  • ソース元:どのメディアから配信されたものか

この段階で基本的なニュース情報は揃っており、次の工程でGeminiが解析を行う準備が整います。

Geminiによる解析と判定

関連ニュースがAppSheetに格納されたら、次はGeminiの出番です。

Geminiは各ニュースに対して、以下のような分析を行います。

  • 推奨度:「このニュースは必読か、それとも読む必要はないか」
  • センチメント:「ポジティブ」「ネガティブ」「中立」のどれにあたるか
  • 市場インパクト:市場や業界に与える影響の大きさ
  • カテゴリ:ニュースのジャンル(製品、経営、業界動向など)
  • 総括:ニュース本文の要点をまとめた要約

こうした情報が自動的に付与されることで、「ただ集めたニュースの一覧」から「読むべき優先度が明確になったニュースリスト」へと進化します。

判定の前提条件

一点注意すべき点があります。GeminiはニュースのURL先まで直接読み取りに行っているわけではありません。これは「スクレイピング」と呼ばれる処理にあたり、サイトによっては禁止されていることもあるからです。

そのため、今回の仕組みでは AppSheetが取得したタイトルやディスクリプションなどのデータだけを解析対象 としています。あくまで「取得済みデータの範囲でAIが判定している」ことを押さえておく必要があります。

出力結果と通知の流れ

Geminiによる解析が完了すると、一覧の中から「必ず読んだほうが良いニュース」が自動的に選別されます。例えば、「ソニーグループではこのニュースを読んでください」「トヨタ自動車ではこのニュースが重要です」といった形で結果が出力されます。

出読ニュースのメール通知

選別された必読ニュースは、そのままメールで担当者へ送信されます。ここでのポイントは 「必読と判定されたものだけが送られる」 という点です。

これにより、大量のニュースすべてに目を通す必要がなくなり、限られた時間で効率よく情報収集が可能になります。

実際に届くメールの内容例

送信されるメールには、以下のような情報が含まれています。

  • 本日届いたニュースの一覧
  • 各ニュースのタイトル
  • 判定結果(ポジティブ/ネガティブ/中立、市場インパクトの有無など)
  • ソース元(例:ライブドアニュース、日経新聞など)

このように、メールを開けば「今日押さえるべきニュース」がひと目でわかります。通勤中や休憩時間に目を通すだけで、効率的に情報をキャッチできるのです。

今回のポイントと注意点

今回ご紹介したデモアプリの大きなポイントは、外部サービスとGeminiを組み合わせることで「能動的に動くアプリ」へと進化させられる という点です。

AppSheet単体でも自動化は可能ですが、外部APIから情報を取り込み、さらにAIが判断を加えることで「ただの自動処理」から「考えて行動するシステム」へとステップアップします。これこそが、今回「AIエージェント的」と表現した理由です。

一方で、注意すべき点もあります。

現状の仕組みでは、AIが直接ほかのアプリにアクションを起こす、いわゆる MCP(Multi-Agent Control Protocol)のような機能 は備わっていません。

例えば「ニュースを見て即座にSlackに投稿する」「在庫が減ったら自動で発注する」といったレベルの自律動作は、今のところは難しいのです。

ただし、AppSheet自体が非常に速いペースで機能追加を進めているため、将来的にはこれに近い仕組みも実現可能になるかもしれません。

現時点では「外部データの取得とAIによる解析」を組み合わせるところまでを実現し、さらに必要に応じて人間がアクションを加える、という使い方が現実的です。

まとめと案内

今回のデモを通じて、AIエージェント的な動きをするアプリ の可能性をご紹介しました。

  • ニュースや外部データを自動で取り込み、
  • AIが内容を解析して優先度をつけ、
  • 必要な情報だけを担当者に通知する。

この流れはニュース以外の業務にも応用でき、在庫管理・営業支援・人材マネジメントなど、さまざまな分野で活用が期待できます。

弊社 Macbe では、こうした仕組みを実際の業務に合わせて導入するための

  • AppSheet内製化支援サービス
  • 開発代行サービス

をご提供しています。

「自社に合ったアプリを作りたいけれど、どこから手をつけたらいいか分からない」という方や、「とりあえず試してみたいけれど、専門知識が不安」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

また、YouTubeチャンネルでは今回のようなデモや解説動画を定期的に公開しています。もし本記事や動画が参考になったと感じていただけましたら、チャンネル登録や高評価 をしていただけるととても励みになります。

今後も、AIやAppSheetを活用した実践的な事例を分かりやすくお届けしてまいりますので、ぜひ楽しみにしていてください。

Google AppSheetを検討中の方へ

Google AppSheetを導入した企業様は84%の業務工数の改善年間48000分以上の業務工数の削減を実現しています。効果や導入の流れをまとめた資料をご用意しています。
AppSheetの業務改善の課題と事例が分かる!AppSheet Magic導入資料はこちら

アップシートを検討中の企業様へ

Googleアップシートで
これまでの業務がガラリと変わります

ノーコードの可能性を広げることで
圧倒的な業務の効率化を実現する

目次