今回は、AppSheetで提供されている「REF機能」を活用したデータ管理の効率化についてご紹介いたします。
REF機能は、AppSheet内でテーブル間のデータをリンクさせることにより、複数のデータが連動して表示・更新される便利な機能です。
この機能を用いることで、関係性のあるデータをシームレスに紐づけることができ、データ管理の効率を大幅に向上させることが可能です。
REF機能のメリット
例えば、賃貸マンションの管理業務では、
- マンション情報
- 部屋情報
- 居住者情報
などの異なるデータが関連し合っています。
REF機能を使えば、マンション情報から関連する部屋情報、さらにその部屋に住んでいる居住者情報を簡単に表示することができるようになります。
これにより、マンションや居住者を基にしたデータの追跡や検索が迅速に行え、業務の効率化に大きく貢献します。
また、REF機能を活用することで「今の居住者」と「過去の居住者」を同時に表示する履歴管理も可能です。
AppSheetのダッシュボードでは、選択したマンションや部屋に対応する居住者履歴が一目でわかり、さらに過去の入居者情報も簡単に確認できるようになります。
こうした履歴データの可視化により、過去の入居状況に関する問い合わせや管理業務がスムーズに進められます。
デモアプリの機能と使い方
ここからは、REF機能を活用して作成したデモアプリの具体的な機能についてご紹介いたします。
今回のデモでは、マンションの各部屋に誰が現在住んでいるのか、そして過去にどのような方が住んでいたのかを効率的に管理するアプリを開発いたしました。
データ構造
マンション情報
マンションの基本情報を格納しているテーブルです。
各マンションには固有のIDが割り当てられており、後述する部屋情報と紐づけられています。
部屋情報
各マンションに存在する部屋情報を管理するテーブルです。
部屋番号などの情報が含まれており、マンション情報とリンクしています。
デモでは仮のデータを使用していますが、実際の物件番号を反映することも可能です。
居住者情報
各部屋に入居している居住者の情報を記録するテーブルです。
居住者の名前や入居期間、過去の入居履歴などが管理されており、REF機能を用いることで部屋情報やマンション情報と連携しています。
ダッシュボード機能とデータの連動
デモアプリのダッシュボードでは、ユーザーが特定のマンションを選択すると、そのマンションに関連する部屋情報および居住者情報が自動的に表示されます。
左のマンションを選択することによってデータが連動する
現在の居住者は一覧の上部に、過去の居住者は下部に表示されるため、今住んでいる方と過去の入居者を一目で確認できます。
また、AppSheetのダッシュボード内では、他のマンションを選択すると連動してそのマンションの部屋と居住者情報が自動的に切り替わる仕様になっています。
さらに部屋情報を絞り込み、該当する居住者の詳細も確認できるため、データの検索や確認がスムーズです。
マンション情報と部屋情報の管理
このデモアプリでは、まず「マンション情報」と「部屋情報」の管理が可能です。
マンション情報には、それぞれの物件の基本情報が含まれ、後述する部屋情報や居住者情報とリンクされています。
このリンクがあることで、複数のデータセットを一つにまとめたように、マンションに紐づく部屋や居住者の詳細を確認できるようになります。
居住者情報の管理とダッシュボード表示
居住者情報には、現在入居している住人や過去に住んでいた方の情報が含まれています。
この情報もREF機能を活用しているため、選択した部屋に対して、現在の入居者だけでなく過去の入居者情報も表示されるようになっています。
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REF機能によるデータの連動
AppSheetのREF機能を活用することで、マンション情報、部屋情報、居住者情報といった複数のデータセットを連動させることが可能です。
たとえば、マンション情報を選択すると、そのマンションに紐づく部屋の情報が自動的に表示され、さらにその部屋に紐づく居住者の情報も同時に確認できます。
マンションと居住者データの連携表示
REF機能を使うことで、マンション、部屋、居住者情報の相互参照が可能になります。
各テーブル間で「リファレンス」(参照)を設定することで、異なるテーブル間のデータを関連付け、あるデータを選択するだけで関連情報を表示可能にします。
具体的な操作方法
居住者と過去居住者の表示分け
デモアプリでは、現在住んでいる「居住者」と、過去に住んでいた「過去居住者」を分けて表示する機能があります。
ダッシュボードの上部には現在の居住者が、下部には過去の居住者が表示される仕組みで、入居履歴の把握がスムーズです。
スライス機能によるデータの見せ方
AppSheetの「スライス」機能を用いることで、特定の条件でデータを絞り込むことができます。
居住者テーブルを「現在の居住者」と「過去の居住者」に分け、各スライスごとに異なるビューを作成することで、視認性が向上し、管理者が必要な情報にすばやくアクセスできるようになります。
なお、本機能はこちらの動画でも詳しく説明しておりますので、併せてご確認ください。
追加の管理機能
契約情報や工事情報の管理
不動産管理において、居住者情報に加えて契約情報や工事情報の管理も重要です。
例えば、各居住者の契約開始日や終了予定日といった情報を記録し、契約状況を一元管理することが可能です。
さらに、部屋ごとのリフォームや修繕履歴も記録でき、部屋のメンテナンス状況が把握しやすくなります。
空室期間や家賃情報の表示
デモアプリでは、空室期間や家賃情報も簡単に確認できます。
各部屋がいつから空室かを記録することで空室管理がしやすくなり、空室率の改善に役立つデータを提供します。
また、家賃情報の表示により、部屋ごとの収益性が把握でき、収益管理がしやすくなります。
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