Google AppSheetを導入した企業様は84%の業務工数の改善、年間48000分以上の業務工数の削減を実現しています。効果や導入の流れをまとめた資料をご用意しています。
AppSheetの業務改善の課題と事例が分かる!AppSheet Magic導入資料はこちら
「AI×ノーコード」で実現する業務自動化!AIの業務フローに組み込むメリットとは?

「顧客から受け取ったpdfから内容、Excelの表に転記する作業」
あなたの職場にも、このような「繰り返し行われる定型業務」は存在しないでしょうか。
一つ一つの作業は単純でも、積み重なると多くの時間を奪い、本来注力すべき企画業務や顧客対応といった、より創造的な仕事への集中を妨げる原因となります。
「非効率だと分かってはいるけれど、どうすればいいか分からない…」
そんな悩みを解決する鍵が、「AI」と「ノーコード」です。
この2つの技術を組み合わせることで、市販のツールやSaaSでは解決できない自社の業務課題を解決するツールを構築することができます。
「AI」のイメージ、更新できていますか?チャットだけではないAIの姿
「AI」と聞くと、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。多くの人が、ChatGPTやGoogleのGeminiといった、チャット形式で対話するAIをイメージするかもしれません。
多くの人が持つAIのイメージ:ChatGPTやGeminiとの対話
「業務改善のアイデアを10個出して」
「この長文を3行で要約して」
「メールの返信考えて」
と相談したり、とお願いしたり、対話型AIは、私たちの質問に対して人間のように自然な文章で答えてくれる、非常に優秀な「相談相手」です。
この使い方だけでも、情報収集や資料作成の時間を大幅に短縮できるのは間違いありません。
しかし、AIが持つ可能性は、それだけにとどまりません。
AI活用を業務に「組み込んで」自動で動かす
Chatから一歩進んだAI活用とは、AIと「対話する」ことではなく、AIを業務プロセスそのものに「組み込んで」自動で動かすことです。
それは、人間がその都度AIに話しかけて指示を出すのではなく、AIが業務システムの一部として、特定のルールに基づき自律的にタスクを実行する世界です。
言わば、「対話相手」としてのAIから、「業務の実行パートナー」としてのAIを使う。こういったことが「AI」と「ノーコード」で実現できます。
ブラウザAI vs 組み込みAI の比較
AIの活用法は、大きく2つのタイプに分けられます。
一つは、これまで見てきたChatGPTのような「ブラウザAI」。もう一つが、業務に組み込む「組み込みAI」です。
どちらが優れているという話ではなく、それぞれに得意な役割があります。あなたの業務を効率化するのは、優秀な「相談相手」でしょうか?それとも、黙々と働く「実行パートナー」でしょうか?両者の違いを見ていきましょう。
3-1. 対話型の「ブラウザAI」
役割 | 優秀な相談相手・アシスタント |
得意なこと | 情報収集、アイデア出し、文章作成、翻訳、要約 |
強み | 対話を通じて、思考を深めたりアウトプットの質を高めたりできる |
弱点 | 業務フローに直接介入できず、最後の実行は人間が行う必要がある |
ブラウザAIは、その名の通りWebブラウザ上で使う対話型のアシスタントです。
「この企画のターゲット層について、ペルソナ案を3つ作って」といった壁打ち相手になってもらったり、「お客様への謝罪メールの文案を考えて」と下書きを依頼したりするのに最適です。
対話型AIの強み
人間との対話のように「もう少し、こういう視点で」「この部分を、もっと具体的に」とやり取りを重ねながら、思考を深め、成果物の質を一緒に高めていける点にあります。
しかし、その活動はあくまでブラウザの中で完結します。AIが考えてくれた素晴らしいメール文も、最終的にコピーして、メールソフトに貼り付けて、宛先を設定して送信するのは「人間」です。業務フローそのものを自動化するわけではありません。
3-2. 業務実行型の「組み込みAI」(AppSheet連携など)
役割 | 黙々とタスクをこなす実行パートナー |
得意なこと | 定型業務の自動処理、データ転記、通知、レポート作成 |
強み | 一度設定すれば、24時間365日、誰がやっても同じ品質で自動実行してくれる |
弱点 | 決められたルール以外の、臨機応変な対応や対話は苦手 |
一方の「組み込みAI」は、特定の業務プロセスの中に組み込まれ、決められたタスクを自動で実行するパートナーです。
例えば、GoogleのAppSheetのようなノーコードツールと連携させることで、以下のような自動化が実現できます。
事例1:問い合わせ対応の自動化
問い合わせフォームに「至急」や「トラブル」といったキーワードを含む投稿があったら…
→AIが内容の重要度を判断して要約し、担当チームのチャットルームに即時アラート通知を送る。
事例2:経費精算の自動化
従業員が経費精算アプリにレシートの写真をアップロードしたら…
→AIが画像(AI-OCR)を解析して「日付」「金額」「店名」を自動で読み取り、さらに店名から「交通費」「会議費」といった勘定科目を推測して、経費データを自動で入力する。
事例3:AIによる業務にフィードバック
営業報告に活動実績を入れたら…
→AIがこれまでの活動記録から達成見込みやフィードバックを自動で行う
このように、「〇〇が起きたら、△△を自動で実行する」というルールを設定しておけば、あとはAIが黙々と、しかし確実にタスクをこなしてくれます。
最大の強みは、一度設定すれば、人間の手を介さずに、誰がやっても同じ品質で業務が実行される点です。
ただし、決められたルール通りに動くのが得意な反面、その場で「やっぱり、こっちの処理も追加でお願い」といった、対話による柔軟な指示には向きません。
なぜ「ノーコード」にAIを組み込むと効果が最大化するのか?
「組み込みAI」が業務自動化の鍵であることはご理解いただけたかと思います。では、なぜそのAIを、AppSheetのようなノーコードツールと連携させると、これほどまでに効果が最大化されるのでしょうか。
その理由は、単に「プログラミングが不要だから」というだけではありません。現場の業務を本当に変える、3つの大きなメリットが存在します。
メリット1:連続する業務フローを「ワンクリック」に集約
私たちの業務は、一つの作業だけで完結することは稀です。
「Aをして、Bを確認し、Cさんに報告する」といったように、複数の作業が連続した「フロー」になっています。
AppSheetとAIを組み合わせることで、この連続する手作業のフロー全体を、たった一つのアクションに集約できます。
例えば、「書類をアップロードする」というワンクリックだけで、その後の「データ化 → 転記 → 通知 → 保管」といった一連のプロセスが全自動で実行されるのです。
個々の作業時間が短縮されるだけでなく、作業から作業へ移る際の思考の切り替えや待ち時間もゼロになります。
これにより、業務時間は圧倒的に短縮されます。
メリット2:人的ミスを撲滅し、業務品質を標準化
手作業には、どれだけ注意していても「入力ミス」「確認漏れ」「通知忘れ」といったヒューマンエラーが付きまといます。
また、「Aさんは丁寧で正確だが、Bさんは処理が速い」といったように、業務品質が担当者のスキルや経験に依存してしまう「属人化」も大きな課題です。
AIとAppSheetによる自動化は、あらかじめ設定されたルール通りに、寸分違わず処理を実行します。そこには人間の感情や体調、スキルレベルが介在する余地はありません。
「誰がやっても、いつやっても、同じ結果」が保証されることで、業務品質は完全に標準化され、組織全体の生産性と信頼性を大きく向上させることができます。
メリット3:低コストでAI導入を実現
本来、自社の業務システムにAIを組み込むには、AIエンジニアを自社で雇用したり、外部のシステム会社に大規模な開発を依頼したりする必要があり、多大な開発コストと時間が必要でした。中小企業にとっては、非常にハードルの高い投資だったのが実情です。
しかし、AppSheetのようなノーコード/ローコードツールの登場で、その前提が大きく変わりました。
AI-OCR(文字認識)といった高度な機能が、あらかじめ再利用しやすい「部品」として提供されているため、開発全体の工数が劇的に圧縮されます。ゼロから複雑なプログラムを組む必要がないため、結果として開発コストを大幅に抑えることが可能になったのです。
業務を最も深く理解している現場の担当者様と、AppSheet開発の専門家がタッグを組むことで、従来では考えられなかったほどの低コスト・短期間で課題に最適化されたAIソリューションを構築できます。
【実践事例】AI×AppSheetで「注文書処理」はここまで変わる!
では、これまで解説してきたメリットが、実際の業務をどのように変えるのでしょうか。多くの企業で共通の課題となっている「注文書処理」を例に、その劇的な変化を見ていきましょう。
5-1. Before:「手作業」のフロー
あなたの会社では、メールで届いたPDFの注文書を、今でも一つ一つ手作業で処理していませんか?
STEP1:PDFを手動で開封
メールやチャットに添付された注文書PDFを、都度ダウンロードして開く。
STEP2:目視で内容を確認
PCの画面を分割し、PDFと管理用のスプレッドシートを見比べながら、転記すべき項目(会社名、品番、数量、金額など)を確認する。
STEP3:スプレッドシートへ手入力
確認した内容を、一行一行、間違いがないようにキーボードで慎重に手入力する。
STEP4:関係者へメールで通知
入力完了後、メールソフトを立ち上げ、「〇〇社より注文書を受領しました」といった報告メールを作成し、営業担当や上長に送信する。
STEP5:ファイルを指定フォルダへ手動で保管
処理済みのPDFファイルを、後から探しやすいようにファイル名を変更し、サーバー上の指定フォルダへドラッグ&ドロップで保管する。
【課題】
この一連のフローには、膨大な時間と手間がかかるだけでなく、入力ミス、通知漏れ、さらには保管ミスといった、ビジネスの信頼性を損なうリスクが常に付きまといます。
5-2. After:AppSheetにアップロードするだけの「全自動」フロー
この手作業地獄が、AppSheetとAIを導入することで、信じられないほどシンプルに変わります。担当者が行う作業は、もはや一つだけです。
たった1つのアクション: 注文書をAppSheetアプリにアップロード
担当者は、届いた注文書ファイルを、専用のアプリ画面にドラッグ&ドロップするだけ。その瞬間、裏側では以下の処理が全自動で実行されます。
【自動化①:読み取り・データ化】
AI-OCRがPDFの内容を瞬時にスキャンし、必要な文字情報(会社名、金額など)を自動で読み取り、データ化します。
【自動化②:データ転記】
抽出されたデータは、管理用のスプレッドシートの正しい項目へ、間違いなく自動で転記されます。
【自動化③:メール通知】
データ転記が完了したことをトリガーに、あらかじめ設定された関係者全員へ、処理完了の報告メールが自動で送信されます。
【自動化④:整理・保管】
元のPDFファイルはGoogle Driveへ自動で整理・保管されます。
【得られる結果】
担当者は、「最初のファイルをアップロードしたら、気づいた時には関連する全ての作業が終わっている」。そんな状態が、実現できます。
あなたの会社でAI自動化を始めるための2つのステップ
「うちの会社でも何かできるかもしれない」と感じていただけたのではないでしょうか。
AIによる業務自動化は、もはや特別な会社の特別なプロジェクトではありません。
あなたの会社でも、今日からその第一歩を踏み出すことができます。ここでは、そのための具体的な2つのステップをご紹介します。
STEP1:まずは「面倒な定型業務」を洗い出してみよう
最初に行うべきは、高価なツールを導入することではありません。
まず、あなたやあなたのチームが日常的に行っている業務の中で、「正直、面倒だな」「この作業、時間がもったいないな」と感じている定型業務を、思いつくままに書き出してみることです。
難しく考える必要はありません。以下のような作業が一つでもあれば、それが自動化の有力な候補となります。
転記作業
「システムAからExcelへ」「メール本文からスプレッドシートへ」など、情報をコピー&ペーストしている作業。
通知作業
「〇〇が完了したら、△△さんにチャットする」「△△の期限が近づいたら、関係者にリマインドメールを送る」といった連絡業務。
ファイリング作業
「ファイルをダウンロードし、指定のフォルダに移動させる」といった整理・保管業務。
完璧なリストを目指す必要はありません。「これはAIで自動化できるかも?」という候補を一つでも見つけ出すことが、最も重要な第一歩です。
STEP2:専門家と一緒に具体的な実現方法を探る
自動化したい業務の候補が見つかったら、次のステップは「それをどう実現するか」を具体的に考えるフェーズです。しかし、ここで一人で抱え込み、悩む必要はありません。
「こんなこと、本当に自動化できるの?」といった漠然としたアイデアや課題こそ、私たちのような専門家の領域です。ぜひ、その段階で一度お気軽にご相談ください。
AIとノーコードで、一歩先の業務効率化を実現しよう
本記事では、AIの新しい活用法である「組み込みAI」の可能性から、AppSheetのようなノーコードツールと連携させることの絶大な効果、そして具体的な業務改善事例までを解説してきました。
「AI」や「業務自動化」と聞くと、まだどこか「多額の投資が必要な、大企業だけのもの」というイメージが根強いかもしれません。
しかし、本記事で見てきたように、AIとノーコードツールの組み合わせは、その常識を完全に覆しました。今やそれは、すべての中小企業にとって、競争力を高め、従業員を単純作業から解放するための、最も現実的で強力な武器なのです。
限られた人材という最も貴重なリソースを、単純作業から解放し、お客様への価値提供や新しいアイデアの創出といった、より創造的な仕事へとシフトさせる。そのための第一歩を、ぜひ今日から踏み出してみてください。