今回はGoogle AppSheetを使ったデータ抽出の方法についてご紹介いたします。
特に、条件に合致するデータを簡単に見つけ出すことができる「SELECT関数」の使い方に焦点を当ててお伝えしてまいります。
AppSheetは非常に高品質なツールであり、業務効率化にも大いに役立ちますので、この機会にぜひSELECT関数の使い方を覚えていただければと思います。
SELECT関数のデモ
取引先データの構成
まずは、SELECT関数を使用するにあたってのデータ構成を確認しましょう。ここでは、取引先と発注のデータを使用します。
取引先データには、以下の情報が含まれています。
- 企業コード
- 企業名
- 担当者
- メールアドレス
具体的には、以下のようなデータが存在します。
企業コード001:会社A(担当者:安藤さん)
企業コード002:会社B(担当者:伊藤さん、遠藤さん)
企業コード003:会社C(担当者:大島さん)
発注データの構成
次に、発注データの構成について説明いたします。
発注データは、実際に発注が行われた際に、どの取引先に対して発注が行われたのかを記録するためのものです。
ここでは、発注時に取引先を選択し、その取引先の担当者情報を表示する機能を実装します。
SELECT関数の実演
では、具体的な操作手順について見ていきましょう。
企業名の選択
発注フォームで、企業名を選択します。例えば、会社Aを選択すると、その企業の担当者である安藤さんが表示されます。
同様に、会社Cを選択すると、大島さんが表示されます。
企業名に応じた担当者を表示するために、SELECT関数を使用します。この関数を使うことで、選択された企業名に基づいて適切な担当者情報を抽出することができます。
そのため、企業Bを選択した場合には、担当者として伊藤さんと遠藤さんが表示されます。
このように、SELECT関数を用いることで、条件に合致するデータを簡単に抽出し、必要な情報をリアルタイムで表示することが可能です。
SELECT関数を用いることで、ユーザーは簡単に必要な情報を取得することができ、操作性も向上します。
SELECT関数の使い方
SELECT関数は、Google AppSheetでデータを効率的に抽出・フィルタリングするための非常に強力なツールです。
この関数を使うことで、特定の条件に合致するデータを簡単に選び出すことができます。では、具体的にどのように使用するのかを見ていきましょう。
基本的な使い方
SELECT関数の基本的な使い方をまず説明いたします。SELECT関数の構文は以下の通りです。
SELECT(テーブル名[列名], 条件式, [重複の有無])
この構文では、以下の要素を指定します。
- テーブル名データを抽出する元のテーブルの名前。
- 列名抽出したいデータが含まれている列の名前。
- 条件式どのデータを抽出するかを決定するための条件。
- 重複の有無(省略可能):重複の許可。
例えば、取引先テーブルから企業名を抽出する場合、次のように記述します。
SELECT(取引先[企業名], TRUE)
この場合、取引先テーブルのすべての企業名が抽出されます。
データのフィルタリング
SELECT関数の真価は、データのフィルタリングにあります。条件式を使うことで、特定の条件に合致するデータだけを抽出することができます。
例えば、企業名が「会社B」である取引先の担当者を抽出する場合は、以下のように記述します。
SELECT(取引先[担当者], [企業名] = “会社B”)
この例では、「取引先」テーブルの「企業名」が「会社B」である行の「担当者」列のデータが抽出されます。
実際のアップシート内での使い方
この事例では、
SELECT(取引先[担当者], AND([企業名] = “会社B”, [担当者] = “伊藤”))
としていますが、これでは会社Bの伊藤さんに固定されてしまいます。
それでは、アプリとして意味を為しません。
実際は次のような書き方をしています。
SELECT(取引先[担当者], [企業名] = [_THISROW].[取引先])
これは「このレコードの取引先と企業名が一致するデータの担当者」という意味です。実際の設定画面も添付します。
このように記述することで、画像にあるように企業に合わせてデータを取り出すことができるようになるのです。
こちらの動画でも詳しく説明しているので、こちらも合わせてぜひチェックして見て下さい。
アップシートの導入支援からアプリ開発まで専門チームがサポートします
Google AppSheetの導入で業務を効率化し、成果を最大化したい企業様へ
SELECT関数のメリット
SELECT関数を使用することの主なメリットは、データの動的な抽出が容易になる点です。
1.効率的なデータ抽出
条件に基づいて必要なデータだけを抽出できるため、データの検索や分析が効率的になります。
2.メンテナンスの容易さ
データベースに新しいデータが追加された場合でも、SELECT関数を使っていれば自動的に最新のデータを取得できます。
3.柔軟なデータ処理
複雑な条件式を使用することで、多様なフィルタリングやデータ抽出が可能です。
これにより、アプリケーションの柔軟性が向上します。
まとめ
SELECT関数は、Google AppSheetでのデータ抽出やフィルタリングを効率化するための強力なツールです。
基本構文を理解し、実際の使用例や条件式の指定方法を学ぶことで、特定の条件に合致するデータを簡単に抽出することができます。
SELECT関数を活用することで、アプリケーションの機能が大幅に向上し、業務効率も向上します!
このブログ記事を通じて、SELECT関数の使い方とその利点について理解を深めていただけたなら幸いです。